昨今、「炎上」という言葉がメディアで多く取り上げられるようになったが、「炎上」ではないような事象も「炎上」という見出しがつけられることが多発している。
日常的に目にしている言葉ではあるものの、定義を答えられる人は少ないのではないだろうか。
本記事では、炎上の定義、炎上が発生してから拡散するまでのフローチャート、年間の発生件数などを解説してみたい。
炎上とは
「シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所」(以下、DCRI)では、以下のように定義している。
企業、団体や個人などの事物が発言した内容、行った行為について、ソーシャルメディアを中心とするメディア上で概要が掲載・拡散され、その後に批判や非難が殺到する現象
*参考:山口真一.(2016年9月11日).炎上加担動機の実証分析
また、DCRIの統計調査においては、当該事案に言及した投稿が100件以上存在する場合を対象としている。
「100件以上」については、2008年から炎上事案の研究を進めてきたシエンプレ株式会社が様々な事例を確認した上で定めた数値である。
ただ、実際には個別に事象を見ていく必要があるため、あくまで一つの目安と捉えてもらいたい。
炎上のフローチャート
「デジタル・クライシス白書2021」では、炎上の流れを以下のフローチャートのように定義している。
炎上の流れは問題となる事象がリアルタイムで露出しているか否かによって変化する。
リアルタイムで露出していないケース
以下が問題となる事象がリアルタイムで露出していないケースのフローチャートである。
※「デジタル・クライシス白書2021」から引用
リアルタイムで露出しているケース
以下が問題となる事象がリアルタイムで露出しているケースのフローチャートである。
※「デジタル・クライシス白書2021」から引用
問題となる自称がリアルタイムで露出している場合、発生後からすぐに「一次炎上」のPHASEに移り、「放送・記事化」「二次炎上」へと進んでいくフローとなっている。
炎上発生件数
「デジタル・クライシス白書2021」では、2020年の炎上発生件数は1,445件であり2019年から15.2%増加している。
1,445件の内、新型コロナウイルスに関する事象が158件(全体の11.17%)であり、世界的な感染拡大が影響したことが分かっている。
※「デジタル・クライシス白書2021」から引用
炎上の実態
DCRIが発表している炎上の統計資料に関しては、HPから無料でダウンロードが可能となっている。
メディアが炎上という言葉を使用していても実際には炎上していないケースがある。
炎上の実態を正しく把握して事態を冷静に見極めることが求められる。
※シエンプレが扱うSNS・WEBモニタリングサービスの概要資料は以下からダウンロードできます。