2020.12.05

Twitterで拡散した「新型コロナ感染者上位30例の内訳」画像はミスリード

Twitterで拡散した「新型コロナ感染者上位30例の内訳」画像はミスリード

12月3日8時30分、Twitterに「(新型コロナ)感染者上位30例の内訳」と称した画像が投稿された。

「@ymtco」というアカウントから発信された情報であり、12月4日15時の時点で当該ツイートは削除されているが、12月3日23時14分の時点では12,627件のリツイートが行われ、27,864件のいいねを獲得している。

画像の元となったデータを作成したジャッグジャパン株式会社に問い合わせが多数あり、影響範囲が大きいと判断できるため記事化した。調査を行った結果、ジャッグジャパン株式会社の作成したデータに誤った注釈を入れたものであり、ミスリードと判定した。

以下、今回の事象について概要及び調査結果を記載している。なお、発行元のデジタル・クライシス総合研究所はファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しており、この記事はFIJのレーティング基準に基づいて作成したものである。

 

ファクトチェックの対象

こりゃ メディアで詳細を報道できない訳ですなぁ
(12/3 8:30 「@ymtco」がツイート)

 

結論
【ミスリード】ツイートの画像は、都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ/ジャッグジャパン株式会社提供( https://gis.jag-japan.com/covid19jp/ )でダウンロードできるCSVデータに注釈を加えたものであるが、注釈がデータ内容と相違がある。また、誤った注釈を加えた画像とともに「メディアが報道できない訳」と煽るようなツイートをしていることから、ミスリードと判定した。

拡散源

対象の媒体:Twitter
対象URL:https://twitter.com/ymtco
対象ツイートURL:https://twitter.com/ymtco/status/1334278846342815744(12/4 16:00時点で削除済)
投稿日:12/3 8:30
拡散量:リツイート12627、引用リツイート358、いいね 27,864

ツイートの画像

ツイート

「メディアが詳細を報道できない訳」として、新型コロナウイルスの国内感染者のデータ画像が添付されている。

拡散した要因としては、発信した「@ymtco」というアカウントのフォロワー数は1.1万であるため、多くの人のタイムラインに流れたことや、新型コロナウイルスに関するツイートであったため、関心のある人が多かったことから記事が拡散されてしまったと想定できる。

 

拡散経路や時系列の動き

12/3  8:30 「@ymtco」さんが当該ツイートを発信
12/3 8:30~ フォロワー数18,424(12/16 8:40時点)の「@yoshidakoichiro」さんがリツイート
12/3 10:22 ジャッグジャパン株式会社代表 大濱﨑 卓真氏(@oohamazaki)が誤りであるとツイート
12/4 BuzzFeed Japanがファクトチェック記事を公開

拡散される過程では、中野区議とみられる人がリツイートしていることも確認されている。

 

投稿分析

「感染者上位30例」「メディアで詳細を報道できない訳ですな」で検索を行い、拡散されている投稿やキーワードを調査した。

 

調査概要

■調査ツール:TDSE提供のソーシャルアナリティクスツール「Netbase」を使用
■調査対象:「国内感染者上位30例」に関する投稿
■調査キーワード:「感染者上位30例」「メディアで詳細を報道できない訳ですな」
■調査期間:11/27~11/30
■Twitterデータ:Decahoseデータを100%にスケーリングして使用(※)
■取得言語:日本語

※Decahoseとは、ツイートデータの10分の1の母集団のこと。10分の1のデータを実態に近い数値にスケーリング(拡張)して調査。
※その他の仕様は「Netbase」の仕様に準拠。

以下は投稿数と推定インプレッション数の推移であり、12/3の8時頃から伸びていることが分かる。

Twitterで拡散した「新型コロナ感染者上位30例の内訳」画像はミスリード

※調査概要を基に編集部作成

 

拡散ツイート

拡散しているとは言えないが、1件以下のような投稿がみられた。

感染者上位30例に関連する投稿

翌日の12/4に投稿されたツイートであり、「デマだけど」という内容が含まれている。

疑義言説(デマ・フェイクニュースの疑いがある情報)が確認された場合は、当該投稿へのリプライだけではなく、引用リツイートにも目を配るべきだろう。

 

サイト別分析

BuzzFeed Japanが同様にファクトチェック記事を公開しているが、その後の投稿は伸びておらず、サイト別で見てもTwitter以外のサイトにはほぼ関連投稿が存在しないことが分かる。
Twitterで拡散した「新型コロナ感染者上位30例の内訳」画像はミスリード

※調査概要を基に編集部作成

 

 

調査結果詳細

ツイートの画像の元となったデータは、都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ( https://gis.jag-japan.com/covid19jp/ )から誰でもダウンロードできるものである。

そのデータは新型コロナウイルスに感染した事例を日付順で集計したものであり、「国内最初の30例」が正しいが、当該ツイートの注釈では「上位30例」と誤った注釈がされている。

また、当該ツイートに対し、ジャッグジャパン株式会社代表 大濱﨑 卓真氏(@oohamazaki)が誤りであるとツイートしている。

ツイート2

編集部でも実際のデータをダウンロードしたところ、「確定日」という項目があり日付順に並んでいることを確認した。また、ツイート内の画像だと分かりづらいが、一番左の項目は「上位」という項目名ではなく「通し」という項目名になっておりランキングを表しているものではないことが分かる。

 

なお、当該ツイートは大濱﨑氏が削除を求め、12月4日 16:00の時点で削除済である。

 

結論

当該ツイートに関しては

1.画像は「都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ」からダウンロードしたデータに誤った注釈を加えたものであり、実際には国内感染者の最初の30例である

2.ツイート内に添付されている画像内「居住都道府県」の項目は必ずしも国籍を表すものではない

ということが分かった。

データ自体は一般公開されているものであり間違っているものではないが、注釈が誤っており誤解を与える内容であるため、ミスリードと判定した。

 

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