2020.08.27

虚偽報道とは?発生と拡大のメカニズムと事例を解説

Third Opinion編集部
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虚偽報道

真実か真実でないかより、話題性を優先するという考え方が虚偽報道の根底に眠っています。
今回は、後を絶たない虚偽報道がなぜ発生し拡大していくのか、事例を交えながら解説し、どのように対策すべきかを探っていきましょう。

虚偽報道とは?

一見すると本物の情報・ニュースのように見せかけたウソの情報が虚偽報道です。
インターネットが定着し、誰もが情報を発信できる時代となり、日本だけでなく諸外国でも虚偽報道は社会問題となっています。
いわゆる誤報とは違い、虚偽報道の元は故意にウソの情報を流そうという意図が隠れている場合がほとんどです。

ジョークであったり、憶測であったり、あるいは悪意があったりなど理由はさまざまながら、真実ではない情報をわざと流すという点は共通しています。
そして、真実かどうかを見極めることがないまま虚偽報道を信じてしまった人を介して、どんどん広まってしまう点も虚偽報道が社会問題に発展している大きな理由です。

 

虚偽報道の事例

SNSなどを介した虚偽報道として注目された事例は、アメリカ大統領のトランプ氏が当選した際の事例が記憶に新しい人も多いでしょう。
「トランプ氏をローマ法王が支持している」、「クリントン氏は児童虐待組織に関わっている」など、事実ではない情報が拡散したこと、つまり虚偽報道がトランプ氏の当選を後押しをしたと大きな話題となりました。

日本国内でも、高校球児を応援する白血病と戦う女性という存在しない人の虚偽報道、高速道路で事故に遭った日本人を救出した沖縄米軍の曹長という存在しない事件に関する虚偽報道なども過去には話題となっています。

銀行強盗に襲われるから危険という女子高生の冗談が虚偽報道に発展したケースもあります。
豊川信用金庫事件では、虚偽報道が信用不安を煽って預金の引き出しをする人が殺到する事態を招きました。

 

なぜ虚偽報道が発生するのか

事実と異なる情報がなぜ発生し、爆発的に広がっていくのかは、民衆心理にその答えがあります。
インターネットを通して誰もが気軽に情報を発信できる時代になり、自分自身が発した情報に対する責任感が低くなっています。
しかも、気軽に発した情報が大きな影響力を与えることに一部の人は確信を抱いているという側面もあります。

虚偽報道となる情報は、多くの人が関心を抱く内容です。
さらに広めるネットワークは、友人や知人つまり普段から信頼関係で結ばれた人たちを介しています。
情報を受け取った人は、一刻も早く真実を明るみに出そうという気持ちからどんどん情報が拡散していきます。
情報元を確認することなく、信用関係で結ばれた人から人へと虚偽報道は広がっていくのです。

虚偽報道の罪

虚偽報道の発信そのものは日本の法律上、表現の自由に含まれるため罪ではありません。
しかし、虚偽報道が結果として特定の誰かの利益を侵害すれば犯罪となります。
名誉棄損罪、信用棄損罪、偽計業務妨害罪など、日本の法律上では虚偽報道の結果によってさまざまな罪に問われる可能性があると言えるでしょう。
さらに、インターネットを通じて発信した虚偽報道なら、外国の法律で処罰の対象となるケースもあるので注意が必要です。

 

虚偽報道対策

人は、誰かに伝えるべき重要な情報、目新しい情報へ素早く反応します。
情報を共有したいという気持ちは関心の高い情報ならより高くなるので、虚偽報道の伝達スピードは速く驚異的な拡散力を持っているのです。

日本での虚偽報道対策としては、災害時や選挙時、あるいはキュレーションサイトへの対策などが急がれています。
急務となっている虚偽報道対策は、国やマスメディア、ソーシャルメディアなど、それぞれが主体となりながら協力して進める必要があるでしょう。
Googleでは、Googleニュースで事実確認結果表示を導入し、Facebookではリンク先のプレビュー見出し、説明文の上書きができない仕組みにより虚偽報道対策をおこなっています。
ドイツ政府では、SNS企業に対し虚偽報道の速やかな削除を義務付け、罰則規定を設けました。

虚偽報道は発信元に非があるだけでなく、拡散させる人が後を絶たない点が大きな問題と言えます。
つまり、SNSの運営側などが主体となった対策だけでは不十分です。
情報を発信すること、そして受け取った情報を伝えることに対して、責任があるという認識を個々人が持つことが虚偽報道問題の解決には欠かせません。
情報をシェアする前に、一人ひとりが立ち止まって考え、情報の真偽を見極め、情報が与える影響を想像することが大切と言えるでしょう。

 

編集部のコメント

ネットニュースメディアは大元の記事を転載しているだけのケースが多く、大元の記事を確認する癖をつける必要があると考えます。
特に週刊誌やネットニュースメディアから出ている情報は調査が必要です。その際に、多様な意見を確認するという視点が重要です。

手軽に始められる取り組みとしては、Twitterでネガティブな意見とポジティブな意見の両方をチェックしてみることです。
一方的な意見ではなく、さまざまな意見を確認することで一方的な情報に惑わされることはなくなるでしょう。

被害にあった人・企業の立場で考えると、積極的に「反論情報」を発信していくことも有効です。自社のHPや場合によっては専用のサイトを用意して、そこで発信していくことで誤解を防げます。
近年では、虚偽報道に対して自分のYouTubeチャンネルなどのSNSで反論するという人も珍しくありません。
虚偽報道の被害にあった際の発信チャネルや対応フローを確認しておくこともリスクを最小限に抑えるという観点では有効です。

普段から目に触れるニュースに対して「虚偽報道ではないか?」という視点をもって見るという意識面の取り組みも必要です。
まずは疑ってみるというのが我々がとれる対策の第一歩なのです。

 

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