2021.11.22

ネオンサインに「射ったらあかん」 通天閣のフェイク画像がSNSで拡散 デマを見抜き、企業がすべき対策とは

アイキャッチ画像

大阪・新大阪のシンボルとして有名な「通天閣」。この通天閣をめぐったフェイクニュースがネット上で拡散され、問題となっている。

事象の詳細や企業としてすべき対策について考察したい。

ネオンサインに「射ったらあかん」と表示されたデマ画像が拡散

問題となったのは、2021年11月2日のTwitterの投稿である。

恐らく「反コロナワクチン派」だと思われるアカウントから投稿されたツイートには、「治験中、射ったらあかん」「射っちゃだめだよ」という標語がネオンに表示された通天閣の画像が添付されていた。

通天閣のフェイク画像

※Twitterより引用

国内のコロナワクチン接種が進む最中、まるで通天閣がワクチン接種を禁じているかのような画像である。

もちろん、通天閣公式のものではなく、通常は「HITACHI」と表示されているネオンの画像を加工・コラージュした「フェイク画像」だ。

しかし、この画像がリアルだったこともあり、本物だと信じるユーザーが続出。元ツイートは1000以上リツイートされ、Instagramなどでも画像が拡散。多くのユーザーの目に止まることとなった。

投稿数の推移

※調査概要を基に編集部作成

■調査ツール:TDSE提供のソーシャルアナリティクスツール「Netbase」を使用
■調査対象:通天閣のフェイク画像に関する投稿
■調査キーワード:「射ったらあかん」「通天閣」「フェイク画像」「デマ画像」
■調査期間:11/2~11/15
■取得言語:日本語
※Decahoseとは、ツイートデータの10分の1の母集団のこと。10分の1のデータを実態に近い数値にスケーリング(拡張)して調査。
※その他の仕様は「Netbase」の仕様に準拠

そして、通天閣の運営会社には「どういうつもりなのか」「こんな広告を認めているのか」といった、『電凸』と呼ばれる苦言の電話が殺到したという。

業務に支障をきたすと判断した運営会社は、事実無根である旨を公式Twitterアカウントからツイートした。

※Twitterより引用

「威力業務妨害として対応を検討している」と警告した直後に、フェイク画像を作成・投稿したアカウントは削除された。

多くの人がフェイクニュースだと気が付かないまま拡散している

そもそも、通天閣は大阪府の感染者数を示す指標である「大阪モデル」に合わせ、警戒度でネオンの色を変えるなど、新型コロナウイルス感染症に対して、強い問題意識を持っている。

大阪のシンボルタワーが反ワクチンを推奨することは常識的に考えてありえないのだ。
しかし、多くの人がフェイク画像だと見抜けず、デマということに気が付かぬまま拡散してしまったのである。

正しい情報かどうかを見抜く方法とは

今回の事例のように、新型コロナウイルス関連のフェイクニュースは非常に多く、コロナ関連の事柄やコロナ禍のイベントなどは特に炎上に繋がりやすい傾向がある。

正しい情報かどうかをチェックする方法として、今回の例であれば、通天閣の公式サイトや公式SNSを確認することが第一といえる。

もう1つの方法として推奨したいのが「ファクトチェック」だ。ファクトチェックとは、社会に広がっている情報・ニュースや言説が事実に基づいているかどうかを調べ、そのプロセスを記事化し、正確な情報を共有する「真偽検証」のこと。

コロナ関連に限らず、企業から何かしら情報を発信する場合は、ファクトチェックなどを行い、正しい情報かどうかをしっかりと精査することが重要だ。

また、弊社のパートナーでもあるファクトチェックの専門団体「FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)」では、国内外の新型コロナウイルス関連の言説・情報の真偽検証結果を発信している。こうしたメディアでも真偽を確かめることが可能だ。

炎上の火種となる投稿を見つけ、スピーディーな対処を

炎上のきっかけは、通天閣の事例のように、SNSの投稿が要因となるケースが多い。

SNSの投稿がきっかけで炎上したことにより、たった1日で株価までも暴落したケースもあるように、SNSの拡散力、スピードは圧倒的である。
そのため、いかに早く、炎上の火種となる投稿を見つけ、対処するかが重要といえる。

今回の例であれば、フェイク画像が拡散される前に、投稿者にDM(ダイレクトメール)やリプライ(返信)することで沈静化できるはずだ。

WEBモニタリングで不適切投稿をいち早く発見・対応

炎上の火種を早急に見つけるために、推奨したいのが「WEBモニタリング」である。

TwitterやInstagramなどのSNSをはじめ、まとめサイトやブログ、動画サイトなど、あらゆるメディアを監視し、モリタリングすることで、不適切投稿をスピーディーに発見することができるのだ。

WEBモニタリングは24時間体制で網羅性を持たせて実施する必要がある。
また、
インシデント発生時の対応やリスクのレベル判断も必須だ。もし自社で対応が難しい場合は、外部への依頼を検討することをお薦めしたい。

※シエンプレが扱うSNS・WEBモニタリングサービスの概要資料は以下からダウンロードできます。


SNS/WEBモニタリングサービスの概要資料