2021.03.11

Twitterで拡散した「新型コロナワクチン アナフィラキシーショックが1万5千回に1回起きている」は誤り

編集部
ファクトチェック コロナ

3rd Opinion  編集部

3rd Opinion
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2021年3月8日、Twitter上で「新型コロナワクチン アナフィラキシーショックが1万5千回に1回起きている。」との情報が投稿された。
2021年3月11日の13時30分時点で202件のリツイートが行われ、361万件のいいねを獲得している。

調査の結果、「アナフィラキシーショック」とは「アナフィラキシー」の中でも重篤なショック状態に陥った場合を指すことがわかった。
当該ツイートの情報については、「アナフィラキシーショック」ではなく「アナフィラキシー」が正しいため、「誤り」と判定した。

以下、今回の事象について概要及び調査結果を記載している。なお、発行元のデジタル・クライシス総合研究所はファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しており、この記事はFIJのレーティング基準に基づいて作成したものである。

 

ファクトチェックの対象

20万回に1回と言われた、アナフィラキシーショックが1万5千回に1回起きている。
ワクチンを接種したいのだろうが話が違う。
ワクチンが高齢者の事故の引き金にならないとよい。

(3/8 7:20 「@satomihiroshi」がツイート)

 

結論

【誤り】

新型コロナワクチンの副反応についての内容である。

「アナフィラキシーショックが1万5千回に1回起きている。」とあるが、「アナフィラキシー」と「アナフィラキシーショック」には違いがある。
3月8日時点でアナフィラキシーと報告されていた事例の中に「アナフィラキシーショック」と言えるものは確認できなかったため「誤り」と判定した。

拡散源

対象の媒体:Twitter
対象URL:https://twitter.com/satomihiroshi
対象ツイートURL:https://twitter.com/satomihiroshi/status/1368688146540498947
投稿日:3/8 7:20
拡散量:リツイート202、引用リツイート7、いいね361万

 

ツイートの画像

1
Twitterより

 

拡散要因

・発信したアカウントのフォロワーが5,490人であったこと
・新型コロナワクチンについての内容であるため、関心のある人が多かったこと

以上から情報が拡散したと想定できる。

 

拡散経路や時系列の動き

3/8 7:20 当該ツイートが投稿される
3/8 8:07 フォロワー数を1,248人有するアカウントがリツイート
3/8 8:10 フォロワー数を2,208人有するアカウントがリツイート
3/9 10:31 フォロワー数を2,453人有するアカウントがリツイート

 

当該ツイートが投稿された後、複数のフォロワー数千人を有するアカウントにリツイートされていることが確認できた。

 

 

投稿分析

調査概要

「ワクチン」AND「アナフィラキシーショック」で検索を行い、拡散されている投稿やキーワードを調査した。

■調査ツール:TDSE提供のソーシャルアナリティクスツール「Netbase」を使用
■調査対象:「新型コロナワクチン アナフィラキシーショックが起きている」に関する投稿
■調査キーワード:「ワクチン」AND「アナフィラキシーショック」
■調査期間:3/5~3/11
■取得言語:日本語

※Decahoseとは、ツイートデータの10分の1の母集団のこと。10分の1のデータを実態に近い数値にスケーリング(拡張)して調査。
※その他の仕様は「Netbase」の仕様に準拠。

以下は投稿数推移である。
当該ツイートが投稿された8日は変化が見られないが、アナフィラキシーの症例が増加した10日に投稿数が増加していることがわかる。

graph
※調査概要を基に編集部作成

拡散ツイート

3月11日に同様の投稿が確認できた。

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Twitterより

この投稿は指摘を受けて「アナフィラキシーショック」を「アナフィラキシー」に訂正している。

 

サイト別分析

Twitter以外の媒体を確認すると、「アメブロ」で関連投稿が多く確認された。

新型コロナワクチンについての投稿が多数あったが、「アナフィラキシー」を「アナフィラキシーショック」と言い換えている投稿は確認できなかった。

サイト別
※調査概要を基に編集部作成

 

調査結果詳細

当該ツイートのリプライ及び引用ツイートを調査したところ、参考情報が見られた。

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Twitterより

 

当編集部でも調査を行った。

「アナフィラキシー」とは、アレルギー物質などに触れたり、体内に入り込むことによって引き起こされるアレルギー症状である。

発症後、極めて短時間の間に全身に現れるアレルギー症状であり、じんましんやかゆみなどの「皮膚症状」、せき、息苦しさなどの「呼吸器症状」、目のかゆみやむくみ、くちびるの腫れなどの「粘膜症状」、腹痛や嘔吐などの「消化器症状」といったさまざまな症状がある。

その中でも血圧低下や意識を失うといった重篤な場合を「アナフィラキシーショック」という。

参考:https://allergy72.jp/anaphylaxis/

 

これは厚生労働省でも同様に定義されている(新型コロナワクチンについてのQ&A)。

厚生労働省が発表しているアナフィラキシーについての報告事例一覧(3/10時点で25例)
を確認すると、皮膚のかゆみ、頭痛、吐き気などアナフィラキシーの症状は見られるが、血圧低下や意識喪失と言った症状は確認されていない。

アナフィラキシーは一度おさまった症状が再び現れることもあるため、経過観察の必要があるが、現時点では「アナフィラキシーショック」の事例は確認できなかった。

 

なお、ツイートしたアカウント「@satomihiroshi」は当該ツイート後も同様のツイートを繰り返しており、指摘はあるものの内容の訂正等は行われていない。

3
Twitterより
4
Twitterより

 

結論

当該ツイートに関しては、

①ツイートの誤りを指摘する情報が見られる
②調査の結果、「アナフィラキシーショック」とは「アナフィラキシー」の中でも血圧低下や意識レベルの低下を伴う場合をいう
③当該ツイートでは「アナフィラキシー」を「アナフィラキシーショック」と言い換えて発信している

ことがわかった。

 

以上から「新型コロナワクチン アナフィラキシーショックが1万5千回に1回起きている。」は「誤り」と判定した。

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