2021.07.15

「蚊に刺されたことによるかゆみや腫れは温めることで症状がおさまる」は根拠不明

2021年7月7日、Twitter上で「ドイツ製のbite awayで温めると、蚊に刺されたことによるかゆみや腫れが消える」という情報が投稿された。フォロワー数を約1.5万人有するアカウントから発せられた情報であり、2021年7月29日の12時15分時点で3.7万件のリツイートが行われ、18.6万件のいいねを獲得している。調査の結果、温めることで蚊に刺されてもかゆみや腫れが消えるという証拠はつかめなかったため「根拠不明」と判定した。

以下、今回の事象について概要及び調査結果を記載している。なお、発行元のデジタル・クライシス総合研究所はファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しており、この記事はFIJのレーティング基準に基づいて作成したものである。

 

ファクトチェックの対象

ドイツ製のbite awayが優秀過ぎる件。蚊に食われた箇所に数秒当てると51℃まで上昇。その直後から痒みが取れてプクっとした腫れも消える。つまり、そもそも蚊に刺されていないことになる。通販で300kr(4000円弱)で購入。これはノーベル平和賞を取るべき。

(7/7 21:00 「@livinnovation」がツイート)

 

結論

根拠不明

ドイツ製の「bite away」という商品の画像とともに、蚊に刺されたことによるかゆみや腫れは、温めることで症状がおさまるとツイートしている。該当商品のURL等は示されておらず、その根拠についても言及されていない。また、調査を行った結果、蚊に刺されたことが原因で起こるかゆみやアレルギー反応であり、温めることが効果的な対処法であるという情報は得られなかったため「根拠不明」と判定した。

拡散源

対象の媒体:Twitter
対象URL:https://twitter.com/livinnovation
対象ツイートURL:https://twitter.com/livinnovation/status/1412743243704504326
投稿日:2021/7/27 21:00
拡散量:リツイート3.7万、引用リツイート2,780、いいね18.6万

 

ツイートの画像

Twitterより

 

拡散要因

・発信したアカウントが1.5万人のフォロワーを持つアカウントであったこと
・蚊に刺されやすい時期になり、対策について関心のある人が多かったこと

以上から情報が拡散したと想定できる。

 

拡散経路や時系列の動き

7/7 21:00 当該ツイートが投稿される
7/8 20:21 フォロワー数を91,709人有するアカウントがリツイート
7/8 21:04 フォロワー数を2,699人有するアカウントがリツイート
7/8 12:02 フォロワー数を2,477人有するアカウントがリツイート
7/9 1:30 フォロワー数を3,167人有するアカウントがリツイート

当該ツイートの投稿後、フォロワー数千~数万人を有する複数のアカウントにリツイートされていることが確認できた。

投稿分析

調査概要

「蚊」AND「暖」「温」「bite away」「51℃」「51度」で検索を行い、拡散されている投稿やキーワードを調査した。
■調査ツール:TDSE提供のソーシャルアナリティクスツール「Netbase」を使用
■調査対象:「bite awayは蚊に刺されてた直後にかゆみや腫れが消える」に関する投稿
■調査キーワード:「蚊」AND(「暖」OR「温」OR「bite away」OR「51℃」OR「51度」)
■調査期間:7/6~7/10
■取得言語:日本語

※Decahoseとは、ツイートデータの10分の1の母集団のこと。10分の1のデータを実態に近い数値にスケーリング(拡張)して調査。
※その他の仕様は「Netbase」の仕様に準拠。

当該ツイートの投稿後、7/8に投稿数が増加していることがわかる。

※調査概要を基に編集部作成

 

拡散ツイート

7月9日に当該ツイートを引用リツイートした投稿が見られた。「蚊に刺されたら温めろ」はデマであり、悪化リスクも高まると投稿している。無根拠での情報拡散についても言及し、1万件のリツイートをされている。

Twitterより

 

サイト別分析

Twitter以外の媒体を確認すると、「Share News Japan」のサイトで関連投稿が多く確認された。しかし、いずれのサイトも5件以下の投稿となっており、ほとんどの投稿はTwitterにて行われたことが分かった。

 

※調査概要を基に編集部作成

 

調査結果詳細

当該ツイートのリプライ及び、引用元のリプライを調査したところ、参考情報が見られた。
デマであると訴える投稿や信憑性を疑う投稿を複数確認した。

Twitterより

 

Twitterより

 

Twitterより

 

一方で、当該ツイートに対し肯定的な投稿も複数確認した。

 

Twitterより

 

Twitterより

 

当編集部でも調査を行った。皮膚科専門医や日本アレルギー学会専門医の見解によると、蚊に刺されたときの温熱療法の報告は確認されていないことが分かった。蚊に刺された時のかゆみは、蚊の唾液がアレルギー反応の原因となり皮膚の炎症を起こすことから発生する。炎症を起こしている部分には血液が集まりかゆみを感じやすくなるため、温めて血の巡りを促進させることは逆効果といえる。またアレルギーを持っているときに温めると、アレルゲンを広げて悪化要因となる可能性すらあることが分かった。

参考
https://www.esquire.com/jp/menshealth/wellness/a30334369/how-to-approach-mosquito-bites/
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200612-00182851

 

結論

当該ツイートに関しては、

①ツイートの内容を否定する情報が見られる

②調査の結果、「蚊に刺された時の腫れは温めるとかゆみがおさまる」という根拠がない

③蚊に刺されたことによるかゆみのはアレルギー反応であり、温めることは逆効果である

 

ことがわかった。以上から「ドイツ製のbite awayは、蚊に刺されたことによるかゆみや腫れが消える」については「根拠不明」と判定した。

 

この記事を書いたライター

阿部仁美

阿部仁美

1989年11月4日生まれ。岡山県出身、関西学院大学商学部卒業。 2012年より印刷・広告にて求人広告の営業・制作を担当。 2015年よりResuPress株式会社(現 : Coincheck株式会社)にジョイン。オウンドメディアの運営(記事執筆・編集、配信)、タイアップ企画、取材等を担当。 2018年よりフリーライターとしてWebを中心に活動。執筆・編集の他に、取材、文字起こし、コンテンツ企画など。主な執筆先はマイナビニュース、TOMORUBA、RealSoundなど。 現在仮想通貨取引所Coincheckの採用広報、コラム運用、SomewhereのCSにも従事中。 趣味は音楽、映画、漫画を中心としたカルチャー全般。 ビール、コーヒー、猫、街歩きをこよなく愛すミレニアル世代。 ブログ:愛と孤独とロックンロール

1989年11月4日生まれ。岡山県出身、関西学院大学商学部卒業。 2012年より印刷・広告にて求人広告の営業・制作を担当。 2015年よりResuPress株式会社(現 : Coincheck株式会社)にジョイン。オウンドメディアの運営(記事執筆・編集、配信)、タイアップ企画、取材等を担当。 2018年よりフリーライターとしてWebを中心に活動。執筆・編集の他に、取材、文字起こし、コンテンツ企画など。主な執筆先はマイナビニュース、TOMORUBA、RealSoundなど。 現在仮想通貨取引所Coincheckの採用広報、コラム運用、SomewhereのCSにも従事中。 趣味は音楽、映画、漫画を中心としたカルチャー全般。 ビール、コーヒー、猫、街歩きをこよなく愛すミレニアル世代。 ブログ:愛と孤独とロックンロール