2021.06.09

デマツイート・誤情報を警告するTwitterの新機能「バードウォッチ」とは?メリットや導入背景を考察

全世界で3億3000万人が利用するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)である「Twitter」。

運営会社であるツイッター社はユーザー数の増加に比例して、増え続けるデマツイート・誤情報の拡散への対応に苦慮してきたという。その対策として、デマツイートへの指摘・警告機能が実装されるというニュースが話題になっている。

Twitterの新プログラム「Birdwatch(バードウォッチ)」のメリットやデメリット、課題について考えてみたい。

機能の概要

Twitterのデマ・誤情報の指摘機能を含むプログラム「Birdwatch(バードウォッチ)」は、誤情報だと思しきツイートを特定し、警告ラベルを表示するという機能だ。

Twitterの新機能の数々をリークしてきた香港在住のリサーチャー、ジェーン・マンチュン・ウォン氏は自身のTwitterアカウントに警告機能の表示イメージを投稿した。

バードウォッチイメージ

※Jane Manchun Wongのツイートから引用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誤情報が含まれる可能性があるツイートには、「最新情報を見る」「情報収集する」「誤解を招く表現」という3つのレベルの警告ラベルが表示されるという。

実装されるメリット

ウォン氏がツイートした表示イメージをみると、「一酸化二水素60gの摂取で気分が悪くなった」というツイートには、水についての情報を収集するように「最新情報を見る」というラベル、「あと12時間で世界の一部が暗闇で覆われます」というツイートには、タイムゾーンについて「情報収集する」というラベル、「私は亀は食べる。したがって私たちは亀なのです」というツイートには、「誤解を招く表現」というラベルが表示されている。

ツイートに警告ラベルが表示されることにより、ツイートしたアカウントへの注意喚起はもちろん、ツイートを目にしたユーザーにも誤情報である可能性が高いということが認識されるため、デマ・フェイクニュースの拡散の抑制となることが期待できる。

導入の背景

本機能の導入が進められている背景には、冒頭で述べたようにインターネット人口の増加にともない、増え続けるデマ・フェイクニュースの拡散の抑制が目的といえる。

インターネット人口の増加に比例して、誤情報も増加は一途をたどっており、2020年に発生した疑義言説の数は合計で2,615件。1日平均7.2件もの疑義言説が発生しているということになる。

2020年に発生した疑義言説の数(デジタル・クライシス白書2021より)

※2020年に発生した疑義言説の数(デジタル・クライシス白書2021より)

新型コロナウイルス感染症を例に上げると、コロナに関するフェイクニュース・デマ情報を1つでも見たり聞いたりした人の割合は72%となり、4人中3人がフェイクニュース・デマ情報を目にしているということになる。

また、デマ情報を見かけたサイト・メディアとしては、Twitterが57%、ブログやまとめサイトが36.5%と、Twitterの影響力はとても大きい。

総務省「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査」

※総務省「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査」

今後検討すべき課題

警告ラベルを表示する、Twitterの「バードウォッチ」は準備中であり、残念ながら正式な実装時期は未定である(2021年6月時点)。

現在、情報や言説が正しいかどうかを精査する方法として「ファクトチェック(真偽検証)」が推進されている。しかし、新聞社などで行っているファクトチェックは、結果を知るには有料となる場合が多く、ファクトチェックの結果が一般ユーザーに届きにくいことが課題の1つといえる。一般ユーザーに誤情報であることが伝わらなければ、フェイクニュースの拡散をストップさせることは難しい。

まとめ

企業の信頼を大きく失墜させるフェイクニュース、デマ情報はSNSなどでの何気ない発言や画像投稿が火種となり炎上する。

自社の従業員が加害者にならいために、SNS運用ガイドラインの制定や従業員のリテラシーの強化が重要だ。従業員の粗相は企業に飛び火するリスクが高い。従業員向けの研修にも取り入れ企業全体で取り組んでいく必要があるだろう。

また、危機管理マニュアルにフェイクニュース・デマ情報への具体的な対応方法、対応フローを組み込むことも対策の一つである。広報や法務、外部の有識者などで構成された「危機管理室」を設置して迅速に動ける体制を構築した上で、危機管理マニュアルの中で動き方や役割を定義しておくことが大事である。

フェイクニュースの拡散が危惧されるケースやすでに炎上してしまった場合は、FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)などの団体に情報提供し、ファクトチェックを促していくことも有効である。