2021.11.15

「47人のうち、21人の採用取り消し」 内々定を取り消された学生がSNSで経緯を告白し炎上 企業の採用担当者がすべきリスク対策とは

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2021年10月、不動産検索アプリなどの開発・運営を手掛けるベンチャー企業、株式会社BluAge(ブルーエイジ)が炎上した。

炎上の原因は、新卒採用において内々定を出していた学生47人のうち、21人の採用を取り消したことである。

「内々定の取り消し」は、違法ではない。しかし、企業から学生たちへの通知があったのは10月。多くの企業がすでに新卒採用を終了している時期だろう。学生たちの心中は察するに余りあるものがある。

注目のスタートアップ企業であった同社は、今回の炎上により、企業イメージを大きく失墜させただけでなく、運営するサービスにも影響が出ているようだ。

事件発覚の経緯や企業としてすべき対策について考察したい。

内々定を取り消された学生がSNSで経緯を告白

事件が発覚したきっかけは、内々定を取り消された当事者である学生のTwitterだった。

内々定取り消しまでの経緯がこと細かく書かれたツイートは、769リツイート、1,161いいね(2021年11月12日時点)と、多くの人の目に止まることとなった。

ブルーエイジ内々定社のツイート

※Twitterより引用

この投稿に賛同するように、同じく内々定を取り消された学生たちが次々とツイート。なかには起訴を検討する学生もいた。

また、11月1日には、30万人のフォロワー持つ、人気Twitterアカウントからもツイートされ、3,000以上リツイートされた。

ブルーエイジの炎上・投稿数の推移

※調査概要を基に編集部作成。人気Twitterアカウントがツイートした11/1、ネットニュースなどのメディアで取り上げられた11/4以降の投稿数が急増している

■調査ツール:TDSE提供のソーシャルアナリティクスツール「Netbase」を使用
■調査対象:BluAgeに関する投稿
■調査キーワード:「ブルーエイジ」「BluAge」「内々定」AND「新卒
■調査期間:10/29~11/11
■取得言語:日本語
※Decahoseとは、ツイートデータの10分の1の母集団のこと。10分の1のデータを実態に近い数値にスケーリング(拡張)して調査。
※その他の仕様は「Netbase」の仕様に準拠

 

多くの批判を受けた株式会社BluAgeは、11月4日に公式ホームページに謝罪文を掲載。

ブルーエイジの謝罪文

※株式会社bluageのHPより引用

 

しかし、その後も関連ツイートは続き、各ニュースサイトをはじめ、11月6日には、日本テレビの報道番組「news zero」でピックアップされた。番組の公式Twitterアカウントに添付されたニュース動画の再生回数は18.4万回(2021年11月12日時点)と、さらに多くの人が事件を知ることになったと想定できる。

※Twitterより引用

運営サービスの批判や企業の内情を暴露される「飛び火炎上」も

また、炎上によって注目されたことにより、採用とは別の事柄もピックアップされ、企業の内情を暴露されたり、運営サービスの利用をやめるというユーザーも続出した。

ブルーエイジの関連ツイート

※Twitterより引用

「飛び火炎上」といえる、二次被害が発生し、今後も炎上を繰り返す可能性は否定できない。

「SNS時代」にマッチした炎上リスク対策を

スマートフォンなどのモバイル端末が幅広い世代に普及したことにより、誰でも、いつでも、どこからでも、一瞬で全世界に情報を発信できてしまう時代である。

新卒学生たちは、まさにSNS世代。デジタルへの抵抗心が低く、インターネットとの距離感がとても近い。そのため、今回の事例のように採用活動のプロセスや学生に対する企業の対応なども、すべてネット上で晒されてしまう可能性が高い2019年に発生したカネカ株式会社の事案も関係者によるSNS投稿がきっかけで大炎上した。また、「学歴フィルター」の有無を巡り、炎上した事案もSNS投稿がきっかけだった。

匿名性の高い、ネット掲示板やSNSなどは特に「書き込まれて当たり前」ということを採用担当者は認識することが必要だ。

また、ネットに投稿した当事者は、悪気のない場合もある。しかし、何気ないツイートが大炎上のきっかけとなり、企業の損害となるケースも多々あるのである。

リクルート・採用関連のWEBサイトのモニタリングを

こうした炎上を防ぐには、採用応募者への一貫した「誠実な対応」が最も重要である。しかし、良い事も悪い事もネットに書かれてしまうのが当たり前の時代。いかに早く、炎上の火種を見つけるかが肝心なのである。

そのために推奨するのが、「WEBモニタリング」だ。Twitter、InstagramなどのSNSや転職口コミサイト、動画サイトなど、あらゆるプラットフォームをモニタリングによって監視し、問題を発見した際は、早急に対処することで炎上を回避することができるだろう。

モニタリングは24時間体制での実施がベストなため、社内のリソースが足りない場合は、外部へ委託することも1つの方法である。

 

※シエンプレが扱うSNS・WEBモニタリングサービスの概要資料は以下からダウンロードできます。


 

SNS/WEBモニタリングサービスの概要資料