2021.01.06

話題の疑義言説(フェイクニュース・デマ情報の疑いがある情報)まとめ|アルカリ電解水/国費による外国人留学生/中国からの入国緩和など【12月後半】

編集部
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3rd Opinion  編集部

3rd Opinion
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まとめ12月後半

本稿は話題になった疑義言説(フェイクニュース・デマ情報の疑いのある情報)をまとめて紹介する企画である。

12月後半はアルカリ電解水や国費による外国人留学生、中国からの入国緩和などに関する話題が確認された。概要と検証結果、企業が学ぶべきポイントを解説する。

なお、発行元のデジタル・クライシス総合研究所はファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しており、この記事はFIJのレーティング基準に基づいて作成したものである。

※当サイト及び他のメディアにてファクトチェックが行われた情報をもとに作成。

 

話題になった疑義言説(フェイクニュース・デマ情報の疑いがある情報)

・「あさイチ」にて取り上げたアルカリ電解水は「電解していないから電解水ではないのでは」
・外国人留学生は学費無料で月17万円の小遣いが貰える
・国民に自粛要請する一方で、中国からはPCR検査未実施&2週間隔離なしで入国させる国は他にない

「あさイチ」にて取り上げたアルカリ電解水は「電解していないから電解水ではないのでは」

テレビ番組「あさイチ」で放送された内容がデマではないかという投稿である。

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概要

日付:12月22日
発信者:匿名
媒体:Twitter
拡散数:Twitter上で180RT
内容:テレビ番組「あさイチ」にてアルカリ電解水を取り上げたところ、別のサイトの情報を引用し、「電解していないから電解水じゃないよね?」と投稿。

検証結果

【検証】『「あさイチ」にて取り上げたアルカリ電解水は「電解していないから電解水ではない」』は不正確。

発信者は、アルカリ電解水の作り方を紹介したサイトを引用し「電解していないから電解水じゃないよね?」と投稿。「あさイチ」が虚偽の内容を放送したように受け取れるとの声が上がった。

しかし、引用したサイトはテレビ番組「あさイチ」とは無関係であり、なおかつ水にセスキ炭酸ソーダを加えるだけという、本来のアルカリ電解水の作成方法と内容が異なるものであった。

そのため、「あさイチ」のハッシュタグをつけ「電解していないから電解水じゃないよね?」といった内容は不正確と判断した。

 

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疑義言説(フェイクニュース・デマ情報の疑いがある情報)に対する編集部考察

これは企業が陥りやすいケースの一つと言えるだろう。

企業は裏付けのある正しい情報を発信していても、受け取る側がデマ情報と関連付けてしまうことで正しい情報が埋もれてしまう危険がある。企業としては正しい情報を発信しているつもりであるため、気付くのが遅れてしまうという点もとても危険だ。

拡散された情報について自分なりに精査するという人は残念ながら多くない。
そのため、拡散内容が事実であることを前提としてさらなる拡散を生んでしまうのだ。

こういった事態を未然に防ぐことは難しく、もし企業が被害に遭った場合は迅速な訂正情報の発信が欠かせない。公式ホームページに訂正文を掲載するだけではなく、拡散力のあるTwitterなどのSNSも有効活用できれば沈静化に一役買うだろう。

 

「外国人留学生は学費無料で月17万円の小遣いが貰える」

外国人留学生に対する支援が度を超えているのではないかと批判する内容である。

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概要

日付:12月23日
発信者:海乱鬼氏
媒体:Twitter
拡散数:Twitter上で2,037RT
内容:奨学金ローンを組み大学に行く日本人がいる中、外国人留学生は学費無料のうえに月に17万円も小遣いを貰えるのはおかしいなどと批判。

 

海乱鬼氏は「何で無職の外国人が腹一杯飯食って、日本人が餓死してんだよ。犯罪やりまくりの外国人に帰れと言ったら罰金喰らわせるんだよ。日本人が奨学金ローン組んで大学行ってるのに、何で外国人は学費無料で月の小遣い17万もくれてやってるんだよ。狂ってるんだよこの国は。腐り切ってるんだよ、政治家どもが。」と、国費外国人留学生制度について批判する内容を投稿した。

これに多くの人が反応し、「国民を蔑ろにしている」「誰のための政治家なのか疑問」「他国ファースト大反対」といった声が上がっている。

しかし一方で、「国費留学生総数は9,220 人だけです。留学生の約97 %は学費や生活費・渡航費を払って日本に留学しています」といった制度について正しい理解を求める投稿も見られた。

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検証結果

「外国人留学生は学費無料で月17万円の小遣いが貰える」は不正確。

国費外国人留学生制度とは、相互理解と国際貢献を目的として1954年に創設された制度で、授業料・往復渡航費を日本政府が全額負担することと定められている。
さらに奨学金として月額117,000~145,000円の支給がある。
海乱鬼氏の言う「学費無料で月の小遣い17万」はこれを指していると思われるが、金額が少し異なる。

また、2019年5月1日時点での外国人留学生は312,214人だが、このうち国費による留学生は9,220人に留まっている。

つまり外国人留学生すべてが「学費無料で月の小遣い17万」というわけではない。
そのため「外国人留学生は学費無料で月17万円の小遣いが貰える」は不正確と判定した。

 

疑義言説(フェイクニュース・デマ情報の疑いがある情報)に対する編集部考察

今回の、自国民より外国人を優遇しているという話題は政府批判につなげやすく、拡散につながったといえる。この国費外国人留学生制度は創設されて60年以上も経つがこのように批判されるケースが存在する。

今回のケースは企業にも当てはまる可能性がある。
長年通例となっている規定や制度がある企業は多いだろう。
社内の人間にとっては当たり前となってしまった“それ”が、外部の人間からみたら異様に映ることも珍しくない。
追求された際に制定のいきさつや利用頻度、必要性を的確に説明できればいいが、正確に把握できている企業はどれだけあるだろう。

発信される情報のチェックはもちろん大切だが、企業の新陳代謝を積極的に行うことも忘れてはならない。

 

「国民に自粛要請する一方で、中国からはPCR検査未実施&2週間隔離なしで入国させる国は他にない」

GOTOトラベルキャンペーンを中止するなど国民に自粛を要請する一方で中国からの入国制限がないことを批判する内容である。

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概要

日付:12月17日
発信者:有本香氏
媒体:Twitter
拡散数:Twitter上で3,552RT
内容:中国は成都を含む約10都市がロックダウン状態だとし、国民に自粛要請する一方で、中国からはPCR検査未実施&2週間隔離なしで入国させる国は他にないなどと批判。

 

ジャーナリストの有本香氏が出演したテレビ番組で、中国は成都を含む約10都市がロックダウン状態であるにもかかわらず、PCR検査や2週間の隔離もなしで日本へ入国できるのはおかしいと主張した。同席した石平氏は「第二の武漢になると言われる成都からも…危険。中国国内でさえ往来制限中」と発言。番組動画が投稿されると3,500以上のリツイート、9,000近い「いいね」が付けられるなど注目が集まった。

検証結果

「国民に自粛要請する一方で、中国からはPCR検査未実施&2週間隔離なしで入国させる国は他にない」はミスリード。

11月30日、日中両政府は渡航後2週間の待機を免除する両国の往来を再開した。

ただしこれは、短期出張や長期の駐在員などを対象としたもので、新型コロナウイルスの陰性証明や行動計画を提出することが前提となっている。
そのため、「PCR検査未実施」で往来可能というわけではない。

加えて、対象となるのは短期出張や長期の駐在員といったビジネス客の往来に限っており、その他の場合は「全ての国・地域から入国される全ての方に対し、当分の間、検疫所長の指定する場所(自宅など)で14日間待機し、国内において公共交通機関を使用しないよう要請」と外務省が定めている。

このことからも「2週間隔離なしで入国」というのはミスリードだ。

 

疑義言説(フェイクニュース・デマ情報の疑いがある情報)に対する編集部考察

今回のケースで注意しなければならないのが、事実を切り取ることによって誤情報が拡散されるという点である。

これはTwitterでもよく見られる現象だ。Twitterは投稿できる文字数に制限があるため、できるだけ簡潔に文章を入力しようとすると、大前提が抜け落ちてしまい、結論だけとなってしまう。
投稿内容を熟考するというよりはトレンドをいち早く発信するというTwitterの性質上、これは避けられない。

しかし、投稿を目にした全員が正しく情報を受け取ることができるとは限らず、誤解から炎上し、拡散につながるケースも少なくない。
企業は自社に関係しそうなトレンドには注視する必要があるだろう。

 

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