Twitterで拡散した「新型コロナ感染議員 野党は自宅待機だが自民党は即入院」との情報は不正確
2021年1月23日、Twitter上で「新型コロナ感染議員 野党は自宅待機だが自民党は即入院」とという情報が投稿された。
情報を発したのは「@kijinyaa」というアカウントであり、2021年1月27日の14時29分時点で1.3万件のリツイートが行われ、2.2万件のいいねを獲得している。調査を行った結果、正確な情報がある一方、一部正確でない情報が混ざっているため「不正確」と判定した。
以下、今回の事象について概要及び調査結果を記載している。なお、発行元のデジタル・クライシス総合研究所はファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しており、この記事はFIJのレーティング基準に基づいて作成したものである。
ファクトチェックの対象
oO(こういうことも次の選挙まで忘れたらあかんな)
無所属 桜井 → 自宅待機
立憲 小川 → 自宅待機
立憲 羽田 → 高熱・死亡後陽性
共産 清水 → 高熱・自宅待機
自民 高鳥 → 即入院
自民 渡嘉敷 → 即入院
自民 竹本 → 無症状・即入院
自民 安藤 → 自宅待機
自民 石原 → 無症状・即入院
(1/23 11:04 「@kijinyaa」がツイート)
【不正確】
新型コロナウイルスに感染した国会議員の症状と対応についての投稿である。
所属と氏名、コロナ感染の症状と対応を列挙し、無所属や野党は自宅待機だが自民党は即入院とアピールしている。
一部症状や対応に不正確な情報が混ざっているため不正確と判定した。
拡散源
対象の媒体:Twitter
対象URL:https://twitter.com/kijinyaa
対象ツイートURL:https://twitter.com/kijinyaa/status/1352799285134254080
投稿日:1/23 11:04
拡散量:リツイート1.3万、引用リツイート774、いいね2.2万
ツイートの画像
Twitterより
拡散要因
・新型コロナウイルスの感染拡大が続いているため、関心のある人が多かったこと
・入院したくても入院できずに自宅療養中で死亡する事案が発生するなど、医療体制の問題点が指摘されているタイミングであったこと
以上から情報が拡散したと想定できる。
拡散経路や時系列の動き
1月23日 11:04 | 当該ツイートが投稿される |
1月23日 17:20 | フォロワー数1.5万(1/27 16:30時点)のアカウントがリツイート |
1月23日 17:23 | フォロワー数2.3万(1/27 16:30時点)のアカウントがリツイート |
1月24日 13:54 | フォロワー数1.9万(1/27 16:30時点)のアカウントがリツイート |
1月26日 12:00 | 毎日新聞のファクトチェック記事が掲載される |
拡散される過程では、フォロワー数が数千~数万人の複数のアカウントにリツイートされていることが確認できた。
なお、当該ツイートについては1月26日に毎日新聞がファクトチェック記事で取り上げている。
※毎日新聞のファクトチェック記事:https://mainichi.jp/articles/20210126/k00/00m/040/034000c
投稿分析
「自民」「即入院」「自宅待機」AND「立憲」で検索を行い、拡散されている投稿やキーワードを調査した。
調査概要
■調査ツール:TDSE提供のソーシャルアナリティクスツール「Netbase」を使用
■調査対象:「新型コロナ感染議員 野党は自宅待機だが自民党は即入院」に関する投稿
■調査キーワード:「自民」「即入院」「自宅待機」AND「立憲」
■調査期間:1/20~1/27
■Twitterデータ:Decahoseデータを100%にスケーリングして使用(※)
■取得言語:日本語
※Decahoseとは、ツイートデータの10分の1の母集団のこと。10分の1のデータを実態に近い数値にスケーリング(拡張)して調査。
※その他の仕様は「Netbase」の仕様に準拠。
以下は投稿数と推定インプレッション数の推移である。1/23に投稿数が伸びていることが分かる。
※調査概要を基に編集部作成
サイト別分析
※調査概要を基に編集部作成
調査結果詳細
調査したところ、リプライ及び引用ツイートに参考情報が見られた。
Twitterより
Twitterより
編集部でも調査を行い、以下の表は結果をまとめたものである。
議員名 | ツイートの内容 | 調査結果 |
無所属
桜井充参院議員 |
自宅待機 | 陽性判明後に自宅療養
高熱あり |
立憲民主党
小川淳也衆議院議員 |
自宅待機 | 昨年11月16日に発熱
陽性が判明した翌17日に入院 |
立憲民主党
羽田雄一郎参議院議員 |
高熱・死亡後陽性 | 昨年12月24日から発熱
27日、PCR検査を受けるため病院へ向かっていた車内で容体が急変し死亡 死亡後コロナ感染確認 |
共産党
清水忠史衆院議員 |
高熱・自宅待機 | 発熱あり、感染確認後 自宅待機4日後にホテル隔離 |
自民党
高鳥修一衆議院議員 |
即入院 | 昨年9月18日 陽性判明後、即入院 |
自民党
渡嘉敷奈緒美衆院議員 |
即入院 | 昨年12月4日 陽性判明後、即入院 |
自民党
竹本直一衆院議員 (前IT・科学技術担当相) |
無症状・即入院 | 昨年12月24日 陽性判明後入院発熱あり |
自民党
安藤高夫衆議院議員 |
自宅待機 | 1月18日 陽性判明
無症状、自宅待機 |
自民党
石原伸晃衆院議員(元幹事長) |
無症状・即入院 | 無症状、即日入院 |
立憲民主党の小川淳也衆議院議員と自民党の竹本直一衆院議員については明らかに間違っていることが判明した。
共産党の清水忠史衆院議員についても、31日に陽性判明してから4日後の1月3日にホテル隔離となっているため、情報が充分でないことがわかった。
Twitterより
結論
当該ツイートに関しては、
①ツイートの内容を否定する情報やが複数見られる
②調査の結果、正確な情報もあるものの、一部の議員については症状やその後の対応が不正確である
ことがわかった。
以上から「「新型コロナ感染議員 野党は自宅待機だが自民党は即入院」については「不正確」と判定した。
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