明治がメンタリストDaiGo氏を起用した販促コンテンツを突然削除して炎上 起用タレントが炎上した場合の企業の正しい対処法とは
作家やYouTuberとして活躍する、メンタリストのDaiGo氏が世間から批判を浴び、炎上する事態となった。
炎上の火種となったのは、自身のYouTubeチャンネルでの発言である。それは、「ホームレスの命はどうでもいい」「生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら、猫を救ってほしいと僕は思う」といった、ホームレスの命を軽視したものだった。
※問題の動画(YouTube「DaiGo切り抜き kチャンネル」)より
この差別的・侮辱的な発言は、一般ユーザーだけでなく、著名人や生活困窮者の支援団体など、多くの人から非難を浴びる結果に。2回の謝罪動画をアップするも、SNSなどでの批判は現在もなお続いている。
■調査ツール:TDSE提供のソーシャルアナリティクスツール「Netbase」を使用
■調査対象:DaiGo氏に関する投稿
■調査キーワード:「DaiGo」「ホームレス」AND「猫」
■調査期間:8/7~8/21
■取得言語:日本語
※Decahoseとは、ツイートデータの10分の1の母集団のこと。10分の1のデータを実態に近い数値にスケーリング(拡張)して調査。
※その他の仕様は「Netbase」の仕様に準拠
DaiGo氏が問題の動画を公開したのが8月7日。謝罪動画を公開した、8月12日から投稿が爆破的に増え、以降も投稿が続いているのがグラフからわかる。
実は、今回のDaiGo氏の事象に関連して、日本の大手食品会社である「株式会社 明治」が炎上する事態となっている。
なぜ、明治が批判されることになってしまったのか。その要因や企業がすべき対策、回避する方法について考察したい。
DaiGo氏関連のコンテンツを説明なく削除してしまった
明治は、人気商品である「明治ミルクチョコレート」の販促として、昨年からDaiGo氏を起用したコンテンツを展開していた。しかし、DaiGo氏が炎上したことを受け、商品サイトから彼が出演する動画や画像などをすべて削除したのである。
※PR TIMESのプレスリリースより
※DaiGo氏を起用した「60秒のひとやすみ応援プロジェクト」のコンテンツ
なにが問題だったのかというと、DaiGo氏を起用したコンテンツなどはじめから存在しなかったかのように、説明や謝罪など一切なく、素知らぬ素振りで削除したことが非難されているのである。
※まとめサイトのスレッドより
企業の立場から見れば、商品のイメージダウンや彼の起用を続けることによって世間からバッシングを受ける可能性を危惧する上での削除だとも理解できる。しかし、消費者からは「なんの説明もなしに逃げ切るつもりか」「ステルス解雇はあかん」など、批判が集まっている。
では、今回のような事案の場合、どのような対処が正しいのだろうか。
起用タレントが炎上した場合の企業の対処法とは
■モニタリングを実施して世論を正確に把握する
起用しているタレントやコンテンツがネットやテレビで非難された場合、まずは炎上の規模を把握するのが重要である。
モニタリングツールを活用することで、影響力のある人物やメディアのみが批判しているのか、もしくは、大多数の人が批判しているのをデータ化することができる。また、事案に関連するネットの投稿数が多かったとしても、少し前に話題になったNIKEのウェブCMのように、実は好意的な投稿が大多数だったということもある。正しい世論を把握してから対処をすることを推奨したい。
■他社の動きを把握する
人気タレントは複数の企業とCM契約している場合が多い。今回のような炎上が起きた場合、他企業の動きを見てから対処方法を検討することも重要である。実際、DaiGo氏を広告起用していた「霧島天然水のむシリカ」の販売会社は、公式インスタグラムにDaiGo氏の起用に対する謝罪文を記載し、広告起用の自粛を表明した上で、生活困窮者支援団体への寄付を表明している。このような対応した、同社を批判する声は少なかった。
※「霧島天然水のむシリカ」の販売会社が掲載した謝罪文
世論と他企業の動きを把握して、コンテンツの削除や声明を出すのならば、できるだけ早い段階、24時間以内がベストである。なぜならば、弊研究所の調査では、炎上事象の約半数が事象発生から24時間以内にメディアに取り上げられるというデータが出ているからである。
また、謝罪文や声明を公式サイトに掲載し、真摯な姿勢や信頼回復に向けた取り組みも必要となる。
タレント・インフルエンサーの起用前に「クリエイティブリスク診断」を
企業が炎上に巻き込まれないための大前提として、必ず行うべきなのが、「クリエイティブリスク診断」である。クリエイティブリスク診断とは、これから展開しようとするクリエイティブやプロモーションの炎上リスクを多角的にチェックする方法だ。
過去の炎上事象と照合し、リスクを分析するだけでなく、タレントやインフルエンサーの過去の発言や行動を洗い出すことで、起用すべきか否かを判断することができるのである。
※シエンプレが扱うSNS・WEBモニタリングサービスの概要資料は以下からダウンロードできます。