新型コロナウイルスによる影響で問題となったのが、
マスクの買い占めによる品不足の他にトイレットペーパー不足でしょう。
トイレットペーパーだけではなく、
ティッシュペーパーや生理用品、紙おむつなども品薄となり、
欲しいときに手に入れることができない状態となりました。
その要因を作ったのはSNSだと考える人は多いでしょうが、
実はマスコミが問題でもあったのです。
新型コロナウイルスによるトイレットペーパー不足事件について見ていきましょう。
コロナ、トイレットペーパー不足事件について
新型コロナウイルスは日本でも年明け以降、さまざまな地域に拡大してきました。
そんな中で話題となったのがSNSを活用したデマです。
・納豆を食べると予防に効果的
・政府が4月1日に緊急事態宣言を出す
・武漢から発熱の症状がある人が関西国際空港から逃げた
・新型コロナウイルスは生物兵器だ
といったさまざまな内容があります。
これは、どれも根拠のないデマ情報となります。
これと同じように世間で話題となったのが
「トイレットペーパー不足」についてです。
ことの発端は、Twitterでのツイートと言われています。
そのツイート曰く
「トイレットペーパーは中国で生産されているものなので、
新型コロナウイルスの影響で輸入が途絶える」
といった内容だったようです。
その他にも、
「品不足になっているマスクの素材とトイレットペーパーは同じなので
トイレットペーパーもマスクと同様に品薄になる」
といった内容のツイートなどもあったようです。
その結果、トイレットペーパーを購入する人が増え、
全国的に情報が広まっていくことでトイレットペーパーが不足してしまったのです。
時系列
なぜ、上記のようなデマが広まってしまったのか、
トイレットペーパー不足事件の経緯の時系列を見ていきましょう。
最初のTwitterへの投稿は2月26日頃だと言われています。
上記で紹介したようなツイートがあったことで、
熊本市内のドラッグストアやスーパーマーケットなどに
トイレットペーパーを買い求める人が殺到して品不足となったのです。
翌日の27日以降には、紙製品の品切れが多いといった内容のツイートや話題が加速し、
熊本市長からデマへの注意喚起もおこなわれました。
日本家庭紙工業会からもデマであるとリリースされ、
九州を中心とした地方 ニュースで報道もされています。
そして、その話題は全国へと瞬く間に広がり、
2月29日は全国のお店からトイレットペーパーを始めとする
さまざまな紙製品の品切れが相次いだのです。
“品切れというデマが流れている”と報道したことによる品切れ発生
一見、SNSがトイレットペーパー不足の要因ともとれる事件ですが、
マスコミが拡散したという見解もあります。
実際には、トイレットペーパーが不足するというデマのツイートは
それほど多くリツイートはされていなかったのです。
しかし、「デマのため一部の店舗でトイレットペーパーが品薄になっている」や
「完売が相次いでいる」といったテレビニュースやネットニュースが放送されたことで、
デマと分かっている人でも
「完売する前にトイレットペーパーを確保しなければいけない」という考えになったのです。
お店にある空になった棚を映し放送すると、
それを観た視聴者はなおさら焦ってしまうでしょう。
自宅に在庫があってもなくなってしまったら困るため、
買い占めをする人も多く本当に欲しい人の手に届かない現象が発生したのです。
メディアとの付き合い方
テレビや新聞、ネットはさまざまな情報を教えてくれます。
ワイドショーは毎日のようにテレビで流れ、目にすることも多いでしょう。
しかし、トイレットペーパー不足事件のように報道したことで
日常生活に悪影響を及ぼすこともあります。
こうした不安を抱えないためにも、
メディアは具体的な説明をおこなうことが何よりも大切です。
トイレットペーパー不足事件では、
買い占めをしている人が多いと報道され、多くの人が焦ったでしょう。
事実を伝えることは大切ですが、
より具体的な説明を丁寧におこない、安心感を与えることが何よりも重要です。
メディアを利用して情報を得る場合には、
その報道に踊らされないよう確かな情報であるかを自分でも確かめ理解することが大切です。
非常事態に陥るとメディアの情報は役に立ちます。
しかし、今回のように日常生活に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。
一度パニックに陥ると通常に戻すことは時間がかかるので、
受け取る側も冷静に考えることが大切でしょう。
編集部のコメント
コロナ渦におけるトイレットペーパー不足の裏側を解説してきました。
このようなデマであったとしても、
トイレットペーパー不足が現実に起こってしまいました。
その原因はなんでしょうか?
あまりに多くの人がメディアやSNSから受け取った情報を、
疑うことなく”まるごと”信じてしまうからだと考えています。
一人ひとりが自分で考え、情報の取捨選択をし、向き合い方を変えることができたら、
このような事態は起こり得なかったかもしれません。
我々の身近にあるメディアだからこそ、付き合い方・向き合い方が重要です。
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